文系・工学系の学際・融合教育を目指して

教員

⼤倉 沙江 助教 (政治学、ジェンダーと政治)

研究テーマとの出会い

⼤倉 沙江 助教 (政治学、ジェンダーと政治)

「格差」や「不平等」がクローズアップされた時代に育ち、なぜ不平等が⽣じるのか、どのように不平等を是正することができるのかという漠然とした問題意識をもつようになりました。このような問題意識にこたえてくれる学問分野は数多くありますが、私は⼤学時代に政治学の授業を受講し、その⾯⽩さに⽬覚めました。また⼤学院を修了した直後に、DV法をめぐる政治過程に関する論⽂を読み、感銘を受けました。その延⻑線上で、ジェンダーと政治に関わる研究に取り組んでいます。

具体的には、⼥性という集団が、政治的影響⼒を⾏使し得る条件について研究をしています。とくに⼥性議員の数が限られる⽇本においては、社会から政治への働きかけがさしあたっては重要であると考え、⼥性団体のロビイングとその戦略について明らかにしてきました。また、⼥性議員が⼗分にその能⼒を発揮することを阻害する要因として議会におけるハラスメントに注⽬し、その現状に関する調査や研究も⾏っています。

⽅法論的には、アンケート調査やインタビュー調査を通して、上記の課題に取り組んでいます。魅⼒のひとつは、⼥性議員や⼥性団体の⽅々と直接コミュニケーションがとれることです。⽇本では⼥性議員が限られていたこともあり、どのように活動しているのか、なにが円滑な活動を妨げているのかは、実際に調査してみなければわかりません。調査を通して、議会や市⺠社会における⼥性を取り巻く現状が明らかにされ、それに基づいて対策が作られること、またそれを当事者に共有できることに⼤きなやりがいを感じています。


学生へのメッセージ

⻑い⼈⽣のなかで、もっとも知的・⾝体的エネルギーが充実しており、そして時間が⾃由に使える時期ではないかと思います。授業や書籍を通してよく学ぶとともに、ぜひ国内外に⾃分がこれだと思えるフィールドを⾒つけて出かけていって欲しいと思います。

授業、ゼミ、書籍を通して学習したことと、教室の外での体験が結びついたときに起きる社会に対する⼼からの理解や納得、あるいは授業で学習したことと、教室の外での体験が⼀致しないときに⽣じる深い疑問は、皆さんが⼈⽣をよりよく⽣きるための基礎となります。私も教育活動を通して、皆さんがそのような経験をするお⼿伝いをできればと思っています。