筑波大学国際総合学類 海外研修Ⅰ(科目番号:BC15210、通年、2単位)
異文化、国際関係、国際協力の学びと実践
~インドネシア共和国パプア州での研修~
海外研修の内容
この海外研修は、異文化、国際関係、国際協力を学び、実践することを目的としています。計12日間、インドネシア共和国パプア州を訪れ、以下の活動を行います。
- 【異文化の学び】
- インドネシア共和国パプア州の先住民の村に5泊6日でホームステイします。異なる生活を体験し、異なる文化・社会を理解することを目指します。料理を手伝ったり、川で水浴び(お風呂)をしたり、主食であるサゴでんぷんの採集方法やカカオ園を見学したり、日曜礼拝に参加したりします。自由にテーマを設定して、村の方にインタビュー調査も行います。異なる文化・社会を学んだら、今度は私たちの文化・社会の「当たり前」を問い直します。
(滞在する村の風景)
(村を流れるきれいな川とサゴヤシの樹)
- 【国際関係の学び】
- 企業のアブラヤシ農園と先住民のカカオ園を見学します。パプアの農村地域では企業による大規模なアブラヤシ農園開発が進められています。熱帯林が減少し、先住民社会に大きな影響を及ぼしています。一方で、熱帯林と先住民の生活を企業の大規模開発から守るべく、先住民のカカオ生産を支援し、民衆交易(広義のフェアトレード)を行っている現地企業も存在します。企業のアブラヤシ農園から生産されるパーム油も先住民が生産するカカオも、日本に輸出され、私たちの日常生活と繋がっています。アブラヤシ農園とカカオ園の現場を視察し、国境を越えた人と人のつながりを実感します。
(企業のアブラヤシ農園)
(パプア先住民のカカオ園)
- 【国際協力の学びと実践】
- 現地企業カカオキタ社は先住民のカカオ生産を支援し、カカオを適正な価格で買い取ることで、先住民の生活を支えています。そして、カカオを日本に輸出し、日本の消費者にカカオ製品を届ける民衆交易を行っています。カカオキタ社を訪問し、生産者と消費者がカカオを通して互いに支え合う民衆交易事業の取り組みについてお話を聞きます。そして、私たちの商品の選択/消費を通した国際協力の可能性について考えます。
(カカオキタ社で民衆交易の話を聞く)
(民衆交易カカオを使用したチョコレート商品)
帰国後、学園祭(雙峰祭)にてカフェ「カカオ、来た。」を出店し、カカオキタ社のカカオを使用したデザートとドリンクを販売します。これはカカオキタ社の民衆交易事業とパプアの先住民の生活に貢献する国際協力の実践です。売上金は研修でホームステイさせてもらっている村のカカオ協同組合に寄付します。
(パプアのカカオでデザートとドリンクをつくる)
(売上金を協同組合に寄付)
海外研修の紹介動画
*動画の途中(3:07~3:11)でニワトリを屠殺する写真が映るのでご注意ください。
(動画作成者:国際総合学類40期 高羽玲理)
年間スケジュール
本海外研修では、(1)事前学習、(2)海外研修、(3)事後学習を体系的に組み合わせることで、学生の総合的な学びを目指しています。
- 【事前学習】
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- パプアの自然・社会・文化・政治・歴史・開発に関する学習
- 民衆交易の学習
- 学生の興味に合わせた自由研究の準備(テーマの設定、情報収集、質問の準備など)
- 【海外研修】
- 上記の「海外研修の内容」を参照
- 【事後学習】
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- 体験記の執筆
- 体験に基づくスピーチ(体験の言語化)
- 成果報告会の開催
- 雙峰祭にてカカオキタ社のカカオを使用した飲食物を販売するカフェを出店。
派遣人数、費用
参加可能人数:最大9名(国際総合学類の1年生、2年生、3年生が対象)
費用:約28万円
*筑波大学海外留学支援事業(はばたけ!筑大生)の支給対象事業です(支給額は一人当たり13万円)
申込方法
- 海外研修の説明会に参加し(説明会の動画視聴も可)、レスポンでアンケートに回答し、申し込む(9人を超える申込があった場合、参加者の選考を行います)。
- 担当教員から参加可能であることのメールを受け取ったら、所定の申込書と誓約書を提出する。
【担当教員】寺内 大左(筑波大学人文社会系)