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国際総合学類3年次 岩井美緒:「大学での学びを実践に」~外務省 軍備管理軍縮課におけるインターンシップ~


右列前から3人目が岩井さん

私は、外務省 軍縮不拡散・科学部 軍備管理軍縮課において、約1か月の間、インターンシップを行う機会をいただきました。軍備管理軍縮課では、世界で唯一の被爆国日本が、「核なき平和な世界」という世界共通の大きな目標に向けて、軍縮・不拡散体制を国際社会に推し進めるべく日々業務が行われています。軍備管理軍縮課における私の主なインターンシップ業務は、8月に広島・長崎の両市でおこなわれる平和祈念式典や「ユース非核特使」委嘱式に関する関連業務です。関連書類の作成や担当事務官のアシスタント、関連会議への同席などをさせていただいています。

国際総合学類の講義やゼミナールでは、軍縮問題に関する法や政治についても、幅広い見地から学んできました。授業の教科書や条約テキストの中でのみ掲げられていた専門的用語や言葉が、職員の方々の会話の節々に登場したり、実際に核軍縮に関連する資料に目を通したりと、これまでの大学生活とはまた異なる、刺激に溢れたインターン生活を過ごしています。

インターン中に印象的だったエピソードとしては、「(今後は)安全保障の議論をどう超えていくことができるかが重要になってくる。」ということを担当者の方が核軍縮のお話の中で仰っていたことです。安全保障の枠を超え、他分野との融合をはかり軍縮問題を多面的に捉えていくことの重要性のお話だったと捉えています。たとえば、安全保障を軸としながらも、環境保護や個人・人権尊重の観点を絡め、広い視点から安全保障問題を考えるということです。安全保障・核軍縮以外の分野にも目を向け、幅広い視点から根本的な問題を考えていくことの重要性を学びました。国際総合学類には、国際政治・国際法、経済学、文化・社会開発、環境・情報工学というように、非常に幅広い学術分野が据えられており、この分野の枠を越えて授業の履修ができるシステムが整えられています。学際性を意識した国際総合学類のシステムは、まさに私自身がインターンシップを通して実感した、幅広い視点から軸となる問題を考える思考性を養うことのできる場だとインターンを通し、改めて実感した次第です。

インターンシップの業務を通して強く感じるのは、自分が思い描いてきた現場の実務等に接するという体験が、何よりも代え難く、本当に貴重なものだということです。これまで漠然と思い描いてきた仕事に係るイメージというものは、よい意味で打ち砕かれることも多くありますが、外部から見た、そのような抽象的なイメージを超えて、自分のキャリアをいかに追求てゆけるのかが、真に問われているのだと実感しています。将来、どのようなキャリアを目指すのか、職種や業種にかかわらず、今回のインターンシップにおいては、社会人となるために必要なスキルや経験をさまざま得ることができました。

素晴らしい経験を得られる毎日の日々への感謝の気持ちを忘れず、残りのインターンシップ期間も様々なことを吸収し、頑張っていきたいと思います。

(2013年8月6日 談)