Culture Social Development

文化・社会開発

文化・社会開発

分野紹介

冷戦終結以後、国際社会は、イデオロギーの違いから文化の違いへ、その対立軸が大きく変化しました。テロリズム、経済摩擦、地域紛争、貧困 の拡大など、現代において深刻な問題として取り沙汰される事象の多くは、その根底に「文化の違い」に起因する対立を克服すべき課題として抱えています。

国際総合学類の文化・社会開発分野では、国際舞台を目指す学生に現代社会で生起する諸現象を文化の側面からアプローチする視点を定着させる と共に、西洋中心の近代的価値観や諸制度を所与のものとすることなく、人間の文化の多様性を認識・尊重しつつ、異文化間における広い意味での「対話(コ ミュニケーション)」を実践することのできる人材の育成をめざしています。とくに、そのことについて、①文化人類学、②コミュニケーション論(言語学)、 ③途上国社会開発に関わる専門性を深めることを通じて指導をおこないます。

また同分野では、開発を軸にして政治学、経済学等の多分野に視野を広げることができる学際的素養や、対話・コミュニケーションによる異文化理解能力の養成を重視し、文化人類学的アプローチによるフィールドワークの方法を学ぶことによって、定性的研究能力を育成します。特に、途上国の教育、医療、健康等の社会開発に関するグローバルな課題から、地域おこしなどのローカルな問題まで、世界のグローカル化や文化の相違によって生ずる諸現象・問題を理解・分析できる能力の育成を重視しています。


授業概要

この分野に直接かかわる専門基礎科目(必修)の「国際学概論Ⅳ」、専門基礎科目(選択)の「グローバルコ ミュニケーション論」および「文 化・開発論」を通じて、国際社会で生起する諸現象を広義の文化的視点から理解する知のあり方について学びます。それらを踏まえた上で、さらに①文化人類学、②異文化コミュニケーション論、③途上国社会開発に関わる専門性の領域に関連した専門科目を履修することになります。

ただし、これらの3領域は独立しているのではなく、相互に重なり合いながら分野を形成していることに留意してください。

これらの専門科目の履修と一部並行して、3・4年次には専門ゼミナールに参加することになります。 この分野の教員が開講するゼミナールは、国際文化論ゼミ、文化人類学/「開発と文化」論ゼミ、ことばと文化ゼミ、比較言語文化ゼミ、指標と文化ゼミなどです。

英語関連の科目としては、文化領域に関わるテーマを扱う”English Discussion Seminar”や”English Debate”の履修を通して、対話・コミュニケーション能力を身につけます。


授業科目紹介

  • 国際学概論Ⅳ
  • グローバル・コミュニケーション論
  • 文化・開発論
  • 社会開発論
  • 開発人類学
  • 言語人類学
  • 国際文化論
  • 教育開発論
  • 国際教育論
  • 日本教育概論
  • 野外調査法
  • 比較文化演習
  • 人類学特講
  • 現代社会論
  • 現代文化論
  • 地域開発論
  • 人口と開発
  • 社会人類学
  • 日本人口史
  • 中国と台湾の文化と社会
  • English Discussion Seminar I, II
  • English Debate など

先輩たちの卒業論文

  • 亡命国での多民族共存社会の実態―フランス・カレーに集まる「難民」―
  • 地域ナショナリズムにおけるシンボルの機能―スペイン・カタルーニャ州の「人間の塔」を事例に―
  • ツイッター空間における大学生の自己語り―「語る」欲求と葛藤・共感―
  • 排除・包摂・応答―精神障害者にとっての「生」の場の構築―
  • 女ことば/男ことば使用のストラテジー―マンガにおける女性登場人物のことばづかいから―
  • 日本におけるスポーツ文化と運動部活動の構築主義的研究―歴史と実践の人類学―
  • 「ゆとり教育」をめぐるイメージの生成と変遷―新聞報道の分析を手がかりとして―
  • 日本文化としてのポップカルチャー―国内外での受容を通して―